Interview — 余白のつくりかた 01
庭は、足す仕事より
引く仕事
十年手を入れつづけた庭。「木を植えた日より、枝を落とした日のほうを覚えている」
約束の時間より十分早く着いてしまって、門の前で待っていた。庭からは、水の音だけが聞こえていた。
案内された縁側には座布団が一枚だけ置かれていて、あとは何もない。何もないことが、ずいぶん気持ちよかった。
- —— 庭づくりで、いちばん時間をかけるのはどこですか。
- 何も植えない場所を決めるところです。そこが決まらないと、どこに植えても落ち着かない。
そう言って、庭の右奥を指した。苔だけの一畳ほどの平地。言われるまで、視界に入っていながら「見て」いなかった場所だ。
空きは、雑に扱うと手抜きに見え、
丁寧に扱うと余裕に見える。
丁寧に扱うと余裕に見える。
その差はたぶん、意図の有無だけだ。四十代になってから、仕事でも同じことを考えるようになった。何を載せるかより、どこを空けておくか。
編集部より
この連載では、毎回ひとつだけ「真似できること」を持ち帰ります。今回は——端をきちんと切る。中は放っておく。
この連載では、毎回ひとつだけ「真似できること」を持ち帰ります。今回は——端をきちんと切る。中は放っておく。
- —— 空きを「意図的だ」と伝えるコツは。
- 端をきちんと切ることですね。真ん中は放っておいていい。人は端しか見ていない。
帰り道、その言葉を何度か口の中で転がした。おそらくこれは、庭の話ではない。
プロフィール(仮)
庭師。関東を中心に個人邸の作庭・手入れを手がける。
※本ページはデザイン検討用モック。人物・発言はすべて架空。
庭師。関東を中心に個人邸の作庭・手入れを手がける。
※本ページはデザイン検討用モック。人物・発言はすべて架空。